Shiroの見た外の世界

気まぐれに撮り溜めた写真を備忘録として整理しています。 その中から海外で撮った食と風物の絵風景を披露させて頂きます。 とは言え中国に偏ってしまいました。 よろしかったら立ち寄ってみて下さい。

北朝鮮が見える中国の町『図們市(ともんし)』

コロナ旋風で日本の外にもう4ヶ月もの間、出ていない。
他国のあの人たちはどうしているだろうか。
元気だろうか。
あたりまえ近づいた場所や人。
それが
半世紀も前のように、遠い国になっている。

延吉市―図們市―琿春(こんしゅん)市―図們江


その一つの場所が、中国北部 吉林省延辺朝鮮族自治州図們市とそこで出会った
タクシーの運転手だ。

名前も聞いていない ドライバーと。


図們市、北朝鮮にもっとも接近した町である
 
図們大橋……向こうは「北朝鮮」


河岸を挟んで目の前に北朝鮮がす裸のように見える。人の動線が見える。


北」をこんなに簡単に観っちゃっていいのかと、一瞬戸惑う。同時に、報道の勿体ぶり、北のベールの厚さはなんだったのだろうか、いやこんなに簡単に覗けるはずがない、変なところに来ちゃったのかな
と、複雑な気持ちになる。


北朝鮮『南陽駅』鉄道はここから先、北朝鮮の最北を東に向かって
「琿春市」を通って「豆満江」に向かう。駅の三角壁に 金日成と金正日
の顔写真が見える。


延吉市からバスでおよそ1時間北東に走ると全く見たこともない人気のない、静まり返っ町に着く。それが図們市だ。

図們駅



延吉市から図們市までの道中は、丘陵地帯。夏は緑の草木に覆われて美しい草原地帯を呈して

オーストリアとイタリアの国境地帯、チロルような雰囲気を感じさせる。

延吉駅前広場



チロル地方?






図門市内は、人影もまばらだが、車がほとんど走っていない。
駅前にたむろすタクシーの運転手が旅人を優しく誘う。
国境までは、10元で行く。
Shiroが利用した運転手は、100元出せば、近くの場所で国境を見るだけじゃなく、北朝鮮が良く見えるところまで行って、この町の郊外を見て帰ってくる周遊を
して上げる、というようなことをを言った。中国語ができないから、その場のシチュエーション
と雰囲気、ジェスチュアから今までに見聞した中国語のかけらをヒントに、全知全能で「そう」感じ取った。

丘の上の公園


駅と街中を離れると、途中何度か、これな「やばいんじゃないか」と怖い思いを想像した。このまま、どこかに監禁されて「初老の日本人、中国と北朝鮮の国境付近で行方不明」なんて新聞沙汰になってしまうかも、と思うと「善良なるサラリーマンの破廉恥沙汰じゃないか」へと想像は発展して、国境の見える丘に着くと「ここは辺境、何が起きるかわからない監禁」の怖さよりも「いい年をした爺さんが何たる破廉恥ごとをしたんだ!」と身に刺さる日本の社会のバッシングの方が気になっていた。


中国の北部だけあって、丘に立つと風も手伝って、寒い。よく北が見える。北と思うから殊勝だが、そう意識しなければ、単なる隣町の風景。自分の立っている場所と同じ国、同じ村の一部そのものの様相である。
 

北の風景

北の風景


北の見張り台




かくして
北の見える国境地帯をぐるり2時間の周遊をして、出発点の駅に戻った。昼食時間は
とっくに過ぎて3時頃だったが、昼食をしたいから美味しいレストランは無いかと訊くと「お昼寝の時間だから、店はどこもかしこも閉まっている」と言う。
残念そうな顔をすると、運転手は知り合いの店に電話して問い合わせてくれた。

図們市の一街角

それがこの「参鶏湯」の店。図們市では有名らしい。
美味しかった。
北と接する国境の町、朝鮮料理はおてのものだ。




それにしても、この運転手のおじさん「良い人だった」。
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#北朝鮮 #南陽 #図們市(ともんし)#延吉市 #延辺朝鮮族自治州

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